ホストファミリー宅でホームステイをさせてもらうと、英語はもちろんのこと、その国の文化習慣を常に体験できる生活も醍醐味です。
とはいえ、全くの他人同士が寝食を共にするわけですから、トラブルが無いとは言い切れません。
普通に家族で生活していても何かと問題は起きるので、仕方がないことではあるのですが、お世話になっている以上、やはり問題はしっかりと解決しておきたいですよね。
今回は、留学期間中のホームステイを快適にするため、よくあるトラブルやその解決法について、ご説明していきます。
事前にホームステイでのトラブル予防を
ホームステイ中のトラブルを避けるためにも、事前にしっかりと予防対策をし、自身の立場を心得ておくことが大切ですね。
まずはこちらで、ホームステイ前に準備しておきたいことをまとめていきます。
※ちなみに、特に多い英語留学でのケースについて、書かせて頂きました。
▶積極性を持つこと
私も長期でホームステイをしていた経験がありますし、現在は英語圏の国で暮らしていて、周囲で日本人留学生を受け入れたことがあるホストファミリー経験者たちも多く知っています。
そこで、私が日本人留学生についてよく耳にするネガティヴなことと言えば、
・日本人はとても静か(静かすぎる、何を考えているのかわからない)
・部屋にこもりっきりな学生が多い
ということ。
「とても礼儀正しい」などとポジティヴな意見も多く耳にしますが、とにかく静かで部屋にこもりっきりな学生という印象が強いようです。
中には、「自室で食事をしてもいいか」と聞いてきた学生もいたそうです。
私が思うに、豪快さが多く見られる外国人と比べると、日本人は家庭内であっても、プライバシーを特に重視していると感じます。
例えば、海外の多くの国では、使っていない部屋、いつでもウェルカムですよという開放的な部屋では、扉を閉めずに開けておく、という習慣が多くあります。
バスルームは特に、閉まっていると誰かが使っているということになるため、使い終わったら必ず少し開けておくことがマナーです。
日本では逆に、扉は閉めておきますよね。
また、男女関係なく、親しい間柄とは、出会う度にハグをしたり頬に軽くキスをしたりと、公の場でのスキンシップも日本とは全く違います。
変に外国人気取りになったり、日本では習慣的ではないことまでを無理してまでしたりする必要はありませんが、ホストファミリーのもとでお世話になるからには、ある程度の積極性を持つことも、英語を学ぶ上でとても重要なポイントになります。
▶お手伝い、コミュニケーションは積極的に
積極性は、お手伝いやコミュニケーションで発揮させましょう。
留学の目的とは、やはり英語を学ぶこと。
ですが、自室にこもって本を広げているだけでは、英語を学ぶということにはなりません。
ホームステイという英語の発音を吸収しやすい環境にいるわけですから、大いに利用することが大切。
映画やドラマがお好きな家族であれば、一緒にTVを見たり映画館へ出向いたりして、その後に感想を言い合ったりするのもいいですね。
食事中には、会話がある家だと、その日にあったことなどを皆で話したりするのですが、そういう時にも積極的に話をすることがおすすめです。
そして、一方的な話にするのではなく、「こういう時はどうしたらいいと思う?」、「日本では○○するのが一般的だけれど、こちらではどうですか?」などと、話を盛り上げる話し方をすると、英語の勉強にもなるし、場も和やかになるはずです。
そして、食前食後、お休みの日など、お手伝いも積極的に伺ってみましょう。
お手伝いをしながらのコミュニケーションは、英語の勉強になりますし、相手に良い印象を与えるきっかけにもなります。
もちろん、親しみも深まります。
私も、ホームステイ時代は必ずお手伝いをさせて頂きました。
私のホストファミリーは、ディナーをできる限りフォーマルな形式でしていたので、テーブル上のプレイスセティングも教えてもらい、オイルランプを点けて、静かなBGMを流すことも私にさせて下さいました。
日本とは違ったディナーの仕方を覚えられたことも、私にはとてもプラスになりました。
ホストファミリーによっては、お手伝いを必要としないところもあるので、そこは積極的な態度で勝手に始めるのではなく、「何かお手伝いすることはありませんか?」と丁寧かつ積極的に伺ってみるといいでしょう。
「ゲストではないということ」にも書いた通り、ホストファミリーのもとでお世話になっている留学生は、ゲストではありません。
ですが、本当の家族でもなく、お手伝いさんでもなく、ホストファミリー自体も、留学生のためのお手伝いさんではありません。
難しい立場ではありますが、日頃の感謝の気持ちを込めてお手伝いをしながら、日常の英語や文化習慣を学ぶことは、とても大きな人生経験になるものです。
チャンスは無駄にしないようにしましょう。
▶お土産、プレゼントなどの気遣い
海外ではお土産という習慣は、日本ほどないような気がします。
ですが、やはり期間中お世話になるホストファミリーには、ちょっとしたお土産を持っていくことも、互いの状況を緩和しあえて、トラブル回避の対策にもなるはずです。
また、会話のきっかけにもなりますよね。
おすすめとしては、小さな子供がいるホストファミリーには、今や世界的にもなっている折り紙、千代紙などもいいでしょう。
日本の美しい風景が楽しめるポストカード、世界でも注目されているディザイン性抜群のステイショナリー、日本独特のお菓子なども喜ばれるはず。
ただ、今は国によって食品の持ち込みが厳しくなっているため、事前にそのこともしっかりとチェックしておくようにしましょう。
そして、ホームステイ中にも、誕生日や結婚記念日など、事前に情報を得られたのなら、ちょっとしたプレゼントを用意したり、母の日、父の日などにも感謝の気持ちをプレゼントにしたりするのもいいですね。
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▶謙虚な態度と正しい英語を話す心得
現在英語圏在住の私ですが、数年前まで働いていた職場で、日本人ではない留学生のお手伝いをしたことがあります。
留学生は数十人いて、英語を片言でも話せる人はほとんどいなかったのですが、映画やTVで覚えたのでしょう、悪い言葉を躊躇なく使っている人が多くいました。
きっと、かっこいいハリウッド俳優たちのセリフだったから、クールな印象を受けたのだと思います。
ですが、正しい英語も話せないまま、親しい間柄でもない人に対して、悪い言葉やスラングを使うのは順序が違う気がしますよね。
英語を勉強しに来ているのですから、積極的に話そうという態度は大切なことですが、まだうまく話せない時こそ、丁寧な英語を話す努力が必要です。
その努力を見せることも、聞き手である現地人への尊重を表す態度になるわけですから。
ホストファミリーによっては、留学生を何度も受け入れていて、その扱いに慣れている家庭もありますが、初めてホストファミリーをする家庭であれば、留学生以上にストレスを感じているかもしれません。
最初のうちは、互いに言葉がうまく通じないとしても、留学生の方から丁寧な態度と言葉遣いを印象づけることで、互いの安心感も強まるはずです。
では、丁寧な英語に関して、細やかな例をいくつか挙げておきましょう。
・何かお願いする時は、必ず「Please」を付け加えること
・「何かお手伝いすることはありませんか?」と聞く場合にも、「What(How) can I help you?(何をお手伝いすればいいですか?)」、「Is there something I can do for you?(何か私でお手伝いできることはありませんか?)」、「I would love to help you if you don’t mind, please(差し支えなければ、是非ともお手伝いさせて下さい)」などと、ホストペアレンツなど目上の方には特に、比較的丁寧な英語でお伺いすること
・舌打ちする感じで、「Fuck」や「Shit」など、映画などの影響もあってか、英語が話せなくても冗談交じりに使っている人も多いようですが、そばに使っている人がいたとしても、絶対に使わないこと、特に子供がいる家庭では絶対NG
他にも、小さな子供がいる家庭では、「Stupid(バカ)」という言葉も使ってはいけません。
私と夫の間では、冗談でよく使ったりしますが、周囲に子供や、友人というほどでもない大人がいる場合には、使わないようにしています。
「馬鹿だねぇ」と冗談っぽく言う場合では、「Silly」という言い方がまだ適切です。
また、日本のコメディでも耳にしますが、「Oh my God(オーマイガッ)」という言葉も、クリスチャンには基本的にNGです。
私のホストファミリーは敬虔なクリスチャンだったので、この言葉は絶対にNGでした。
軽く説明しますと、神への祈りで使うのならまだしも、神の名を驚きの表現などでみだりに使うことが許されないからです。
聖書で「モーセの十戒」にも印されています。
敬虔なクリスチャンであっても、現代では口にする人が結構いるようですが、私は今でも付き合いがあるホストファミリーからの教えは守るようにしています。
「Oh my God」と同じように、驚いたときなどで「Jesus」と口にする人もいますが、こちらも同じこと。
神聖な名ですから、そう簡単に使用できる言葉ではありません。
ちなみに、夫の両親も敬虔なクリスチャンですが、時折「Oh my God!」と言ってしまうことがあります(笑)。
その後、天に向かって「I’m sorry!」と謝罪しているのですけれど(笑)。
驚いた時に出る言葉では、「Oh my goodness」、「Oh my Gosh」などが一般的ですね。
さらには、「Hell(地獄)」という言葉も、会話でよく使う人がいますが、これもまた、特にクリスチャンには好ましい言葉ではありませんので、お気遣いを。
「Hell」の婉曲語として、「Heck」を使う人は多いですし、こちらはOKです。
他にも、「Bitch」、「Son of a bitch」、「Ass」、「Asshole」など、多くあります。
今思いつくことをまとめてみましたが、クリスチャンでなくても、皆が使っているから、日本では有名な言葉だから、クールに聞こえるから、などという理由で、耳にしたままの言葉を使ってしまうのは、避けたほうが無難です。
まずはしっかりと正しい英語を学ぶことが大切です。
ホストファミリーの中には、言葉遣いに気遣いもなくスラングだらけで接してくる家庭もあると思いますが、スラングの意味を知れて勉強にもなるとは言えるものの、だからといって同じように話すことはおすすめできません。
家庭以外で誰もがそういった言葉遣いをしているというわけではないからです。
まずは正しい英語と謙虚で丁寧な態度を意識した上で、周囲と積極的に接することを重視しましょう。
▶「Thank you」を伝えること
どこかに連れて行ってもらった時、食事をした後、コーヒーを入れてもらった時など、様々な状況において、常に「Thank you(有難う)」という感謝の気持ちを口にすることがとても大切です。
海外の多くの国では、親子や夫婦、恋人同士でも、「Love you」と愛情表現を口にし合うことが多いように、言葉にして伝えるということに、日本人よりも高い重要性を持っている気がします。
もちろん、そうではない人もいますが、感謝されて悪い気がする人はいませんから、必ず伝えるようにします。
特に、海外では誰かがくしゃみをした時、魂が抜けてしまわないようにという意味を込めて、「God bless you」、「Bless you」、「Gesundheit」と周囲の人がくしゃみをした人に言ってあげることが多々あります。
後者はドイツ語で、グズンタイ、グズントハイなどと聞こえますが、どれも「お大事に」という意味ですから、言われた方は「Thank you」とお礼を言うのが礼儀です。
また、全く知らない人であっても、自身の周囲で誰かがくしゃみをしていたら、即座に「Bless you」などと声をかけてあげることも、礼儀として覚えておきましょう。
私が現在住んでいる国でも、お買い物中にくしゃみをしようものなら、周囲にいる多くの人たちが、お大事にと声をかけてくれます。
ちなみに、「Thank you」同様、ちょっと咳をしたり、ゲップが出てしまったりと、周囲を不快にさせてしまった、または誰かに声をかけたい時などには、「Excuse me」と言うことも礼儀です。
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▶「Yes」と「No」の使い方に要注意
例えば、「Don’t you have this one?(これ、持っていなかったっけ?)」と否定文で聞かれた場合、
・持っている場合…Yes, I do
・持っていない場合…No, I don’t
となります。
日本語だと、「これ、持っていなかった?」と聞かれたら、「うん、持っていない」と答えるのではないでしょうか。
私は異国暮らしが長く、日本語で会話をすることがほぼないため、数年に一度、日本に里帰りした時に、日本語での「Yes」と「No」の使い方が間違っていると、日本の家族からよく指摘を受けます。
私の場合、「これ、持っていなかった?」と聞かれると、「いいえ、持っていないよ」と、英語的な返しになるのです。
また、「You have this one, right?(これ、持ってなかったよね?)」というように、最後に念押しの「right」がついた場合の答え方もいくつかあるのですが、
・持っていない…Right や Indeed や Totallyなど
・持っている…Actually, I do
などという言い方が最適です。
他に、「Do you mind if I take this home?(これ、よければ私が持って帰ってもいい?)」と言われた場合には、
・持って帰ってもいい…No, I don’t, please
・持って帰らないでほしい…Yes, I do mind, sorry
などの返しになります。
「Do you mind~?(~を気にしますか?)」と聞かれているため、気にするかどうかでお返事をするようにしましょう。
英語の場合、日本語とは「Yes」と「No」の使い方が違っているため、たった一言とはいえ、その言葉が原因でトラブルに発展するもよくあるようです。
留学前にしっかりと練習しておくことをおすすめします。
▶わからなければ聞くこと
知ったかぶりをする…そんな人ほど学習心は弱いはず。
留学は学ぶためにすることですから、そのチャンスは有効的に使っていかなくては意味がありません。
何を聞かれているのかがわからない、この単語の意味がわからない、でも聞き方がわからない、くだらないことを聞いてくる日本人だと思われたくない…そういった不安な気持ちもあるとは思いますが、聞かぬは一生の恥とも言います。
今がチャンスと思って、わからないことは必ず聞くようにしましょう。
それもまた、ホストファミリーとの距離を縮めるきっかけにもなるはずです。
▶日本語で話さないことも礼儀
私が留学中は、他の日本人留学生とも、現地の人たちの前では絶対に日本語では話さないことと事前に教わっていたので、クラスメートの日本人学生がホームステイ先に遊びに来た時にも、必ず英語で話すようにしていました。
やはり、周囲で自身がわからない言葉で話されていたら、何か悪いことを言われている気がして、誰もがいい気分にはならないですよね。
現地の言葉で話すことも礼儀ですし、勉強にもなりますから、ホームステイ先では特に、日本語禁止と心得ておきたいものです。
もちろん、日本の家族に電話をする時などでは、ホストファミリーに「誰も英語が話せないので、日本語で話させてもらいます」と言っておくのもいいですね。
実際、私が留学中もそのように一言伝えてから、日本に電話をしていました。
ちょっとした気遣いを大事にしたいですね。
ホームステイ中のトラブルと解決策
ではここから、ホームステイ中によく聞かれるトラブルと、その対応についてまとめていきます。
参考にして下さいね。
▶初日にホストファミリー不在!
とても稀なケースですが、到着した日に、連絡がうまく取れていなかった、どうしても外せない用事があったなどで、ホストファミリーが不在というトラブルもあります。
私が留学した初日にも、ホストファミリーが不在というクラスメイトがいました。
彼女の場合は、既に留学生の一切を担当しているスタッフに事前連絡があったため、その日だけ別のホストファミリーのところでお世話になったという記憶があります。
ですが、中には受け持つ留学生の到着日を全く間違えていた、すっかり忘れていた、家族に緊急なことがあったなどで、長く連絡さえもつかない、ということもあるようです。
今はどこにいても連絡がつく時代になったとはいえ、海外では時間などに結構ルーズな人も多いので、そういった場合には、送迎してくれるスタッフやエージェントなどに連絡をして、指示を仰ぐといいでしょう。
もしも個人でセティングした留学で、エージェントなどを介していない場合であれば、ホストファミリーと連絡がつくまでの宿泊先を確保しなくてはいけませんね。
現地に到着したらすぐにホストファミリーに連絡をし、連絡がつかなければ、ホテルなどを探す必要がありますが、空港には必ず案内所があるので、そちらで尋ねるといいでしょう。
もしものことを考えて、日本を発つ前に、空港近くのホテルやモーテルをある程度検索しておくのもいいですね。
▶ホームステイ先でトラブル続出の「食事」
ホームステイ先でトラブルが多く見られることといえば、食事がよく挙がっています。
ホストファミリー宅での滞在中、ほぼ食事付きとなりますが、食事量が足りなかったり多すぎたりという問題が多々聞かれます。
このトラブルを解決するには、まず自身の意見をしっかりと伝えることが重要なポイントになります。
以前の記事、「自己主張も時には大切」にも記していますが、食材のアレルギー、好き嫌いなどに加え、食事量についても自ら伝えるようにしておきたいもの。
食事量が多ければ、「もうお腹がいっぱいです」、足りなければ「もう少し頂いてもいいですか?」と伝えるようにしましょう。
もちろん、食事の際には、「とても美味しい」、「初めて食べる味です」など、せっかく出してくれた食事ですから、肯定的な感想を言うことがおすすめ。
食後には、感謝の気持ちを伝えることも、忘れないようにしましょう。
また、食事量で足りないと感じる場合の対処法ですが、ホストファミリーに了承を得て、冷蔵庫に何か好きなおつまみなどをキープしておくのもいいでしょう。
時には、お礼として食事を振る舞ってみるのもいいですね。
自身が食べられる量を思いっきり振る舞えるチャンスとなるはず。
さらに、家庭によっては、夕食後に必ずデザートを振る舞うところもあります。
デザート量も考えて、食事を少なめにしている家庭もあるかもしれませんね。
そしてもう一つ、食事でのトラブルでは、夕食が用意されていなかった、ということもよく耳にします。
私が留学中も、同じ留学生の中には、夕食はいつもファーストフード、という家庭があったようです。
私は運が良かったというのか、ホストペアレンツがお料理好きで、いつも豪華なお料理を頂いていた記憶があります。
当時料理をしたことがなかった私でも、食事のお手伝いをさせて頂くことが楽しみだったほどです。
とはいえ、ホストファミリーでは、私がいたような家庭の方が、残念ながら少ないと言えるかもしれません。
共働きで多忙ということもありますが、受け入れた留学生の安全対策のためにも、門限を定めているところが多く、その門限に遅れたら夕食は無しという厳格なルールをベースにしている家庭もあります。
遅れるといった連絡をせずに帰宅するのは絶対に厳禁ですが、あまりに厳しいルールを設定しているホストファミリーに関しては、留学生を担当しているスタッフやエージェントなどに相談し、変更をお願いしてもらうのもいいでしょう。
他に、家庭によって食事のルールは様々ですから、留学生側も最低限の食事マナーは守っておくことが大切です。
前回の記事、「食事について」では、そんなマナーについても少し触れていますので、ご参考にして下さいね。
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▶違った生活習慣にも柔軟性を持って
食事以外でも、ホームステイ中のトラブルは起こるものです。
異文化の共存となるわけですから、そこは当然のことと割り切ることも必要ですし、新しいことを取り入れて自身の向上に繋げることもGood。
「なるほど、こうすれば時間がかからない」、「こちらの方が自分に合っている」などと、ライフハック的な考えが持てるようになるかもしれませんね。
まずは、前回の記事、「シャワー、お風呂について」、「洗濯について」という記事にて、一般的なルールをまとめていますので、御覧下さい。
異国でのお風呂や洗濯では、そのシステムはもちろんのこと、水に対する考え方も、日本とはかなり違っていることが多々です。
多くの家では、定期的にためられているお湯を使っていくというシステムでもあることから、長時間のシャワーを使用することで、次の人には水のシャワーになってしまうこともあり得ます。
国、地域によっては、節水を義務付けているところもあるため、お風呂は入浴なしの5分間シャワーのみ、シャワー後は落ちた髪などを掃除しておくこと、洗濯も家庭のルールに沿って行うことなど、トラブルの予防策を厳守するようにしましょう。
既述していますが、家庭のルールはそれぞれで決められていますから、洗濯のことについては特に、ホストファミリーのルールを初日に聞いておくと良いでしょう。
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▶ホームステイ先でも要注意~自衛は必須
英語を学びに来ているわけですから、留学生の中には、英語の能力によってホストファミリーとのコミュニケーションがうまく取れなかったりする人もいます。
最初のうちは誰でもそういうものです。
だからといって、とりあえずはホストファミリーの言う通りにしておこうと、何でもYESで受けてしまうのはNGですね。
ホストファミリーの中には、報酬目的を第一に留学生を受け入れているという家庭があるのも事実です。
ビジネスということで言えば、悪いことではないのですが、単に利益だけを求めているホストファミリーということから起こりうる可能性大のトラブルも、心にとめておきたいもの。
ホストファミリーとは、信頼第一でありたいと思っていても、ホームステイ先での盗難トラブルも、よく聞かれる話です。
ホストファミリーに対して留学生とは、ゲストでなければしっかりと家族の一員とも言い難い存在です。
特に、小さな子供がいる場合、外国人の荷物という目新しさから、いたずら心で何かを隠してしまうということもあるかもしれません。
ちょっといない間に、お金や大切にしている物がなくなったりすると、不信感が強まってしまいますよね。
そんなことになってしまえば、その家庭でのホームステイを継続することが困難に。
小さな子どものいたずら心ならまだしも、悪質なことが起きてしまった場合は、担当のスタッフやエージェントにすぐ相談しましょう。
そして、ホームステイ先であっても、盗難被害に遭わないように、そしてホストファミリーへの不信感を強めないためにも、自己管理を重視したいところ。
「貴重品の自己管理」という記事にも書かせて頂きましたが、常に自衛には最善を尽くすようにしましょう。
加えて、貴重品は常に身につけておく、所持金額は口にしないなどの対応も忘れずに。
人前で札束が見えるほど財布を大きく開けたり、そのままお金をごっそり出してしまったりすることも絶対NGです。
それこそ、自らトラブルを招いていることになります。
ちょっとバスルームを使うだけ、という時にも、スーツケースの鍵をかけたり、貴重品をバスルームに持ち込んだりすることもおすすめです。
また、逆の話になりますが、何かと便利になっている現代、欧米ではナニーキャムという、隠しカメラがとても人気になっています。
基本的にベビーシッターの監視目的でよく置かれているのですが、盗難防止などにも当然使われています。
ホストファミリー宅で設置していないとも限りませんから、逆にそういうことも注意しておきたいですね。
例えば、自身に与えられた部屋やバスルームなど、安全対策として以前に必要だったカメラが設置されたままということも考えられます。
最初から疑い深くなりたくはないのですが、自衛目的として、自ら隅々までチェックするのもおすすめです。
余談ですが、この隠しカメラが原因で、事件に発展したという事実もよく耳にします。
私が以前に観た、事実がベースのTV映画では、購入した家のあちらこちらに隠しカメラがあり、新しい入居者の様子を、その家を売った不動産会社の人がチェックしていた、というストーリーになっていました。
その後裁判になり、ニュースで大きく取り上げられてもいたようですが、悲しい哉こういった問題が珍しくない時代になっているのが事実です。
▶ホストファミリーとのお出かけなし
子育て中、介護をしている人がいる、共働きなど、ホストファミリーにも様々な事情があるものです。
ですが、他の留学生はホストファミリーにどこかへよく連れて行ってもらっているのにと、周囲との比較からトラブルに繋がるということも多々あるようです。
ホストファミリーがお出かけや旅行に連れて行ってくれるということは、そもそも好意でしてくれていることであり、当たり前なことではありません。
どうしても行きたいところがあるのならば、ホストファミリーの事情も考えた上で、「○○へ行きたいのですが」とお願いしてみるのもいいでしょう。
それが無理であったとしても、バス停まで連れて行ってくれたり、旅行社を紹介してくれたりするかもしれません。
もしかしたら、連れて行ってくれる友人や親戚の人を紹介してくれるかもしれませんよね。
代替案も出ないほど駄目となったら、諦めも肝心です。
既述した通り、ホストファミリーにもそれぞれの事情がありますし、経済的・時間的にも余裕がないという家庭も多くあります。
しかも、ホームステイをさせてくれる家庭がホストファミリーであり、必ずどこかへ連れて行くこと、などという条件は含まれてはいません。
できる限りの範囲でホームステイをさせてくれているのですから、まずはそこに有り難みを感じたいもの。
ホストファミリーの事情もよく理解した上で、異文化交流を楽しみ、学びの精神を高めていくことに意識を向けましょう。
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▶お手伝いが多すぎて勉強ができない
お手伝いは積極的に申し出て、した方が良いと前述しましたが、よくあるトラブルの中には、毎日家事手伝いが多すぎて、勉強をする時間がない、というトラブルも聞かれるようです。
ホストファミリーによっては、お手伝いを頼んでいるうちに、それが日課となってしまい、使用人のごとく扱うようになってしまうという悪い例も、残念ながら、ないとは言い切れません。
ただし、共働きが多い欧米では、子供が家事を担当することは一般的であり、日本人の受け取り方との温度差も無視はできませんね。
家政婦のように、家事全般を任されるようになったとなれば、それは問題ですが、自身から率先してお手伝いをし、勉強もできる範囲であれば、家族の一員として続けていきたいもの。
そうではなく、あまりにも大変すぎると感じた場合は、ホストファミリーに、勉強する時間がないのでと直接相談するか、スタッフやエージェントを介して伝えてもらうのもいいでしょう。
▶時間のトラブル
ホストファミリーからよく伝えられているトラブルでは、時間に関することが多いようです。
食事に遅れないようにすること、遅れる場合は事前に連絡を入れること、お風呂や洗濯の時間などは前述している通り、その家庭のルールを厳守することが大切です。
他に、就寝時間や門限についても、よく問題視されているとか。
就寝時間を守らず、夜遅くまでリヴィングでTVを見ている、寝室から動画や音楽の音が漏れてくるなどがよく挙がっているようです。
出勤時間が早い、ダブルシフトで働くことが多いといった事情から、ホストファミリーが就寝時間を決めていることもありますし、安全対策としても、留学生だけが夜遅くまで起きていると、家族も気になるものでしょう。
ホームステイ中は、ホストファミリーが決めた就寝時間を守るようにするか、どうしても寝付くまで動画を楽しみたいという場合は、ヘッドフォンを利用するなりして、音がもれない対策を取りましょう。
そして門限について。
事前に合鍵を渡してくれるホストファミリーも稀にいるようですが、鍵の個数や安全性のことを考えると、家族以外の人に合鍵はなかなか渡せないものです。
決められた門限は厳守する、門限を相談して決めてもらう、遅れる場合は必ず連絡を入れるなど、ホストファミリーと話し合うことが大切です。
▶留学生自身のトラブルも要注意
ホームステイをしているとはいえ、異国での新生活にストレスを感じ、ホームシックになってしまう人も少なくないようです。
実のところ、私も留学中はホームシックになってしまった時がありました。
ホームシックになってしまうということは、人によって原因がそれぞれですから、解決策を挙げることはなかなか困難と言えます。
私の留学中とは違い、今はWiFiさえあれば日本ともすぐに連絡が取れるので、日本の家族や友人たちから自然と改善させてもらえそうな気もしますし、Youtubeなどで日本の番組も観れて、日本語に飢えるということはなさそうですよね。
ですが、学校にも行きたくない、とにかくもう帰国したいとばかり考えてしまうようになる人もいるとか。
私の場合、英語だけの留学ではなかったので、英語で既に苦労しているのに、他の授業についていくのにも必死で、もうテキストを破ってしまいたい!と叫びたくなった記憶があります。
そんな時に、ホストファミリーの子どもたちがホームステイ先から歩いて行ける距離にあったジムに誘ってくれて、一緒にスカッシュを始めたところ、もともとスポーツ好きな私ははまってしまい、これが本当に私にとって最適なストレス解消法となりました。
ホストファミリーが行けない時でも、スカッシュなら独りでできますし、短時間でエネルギーもかなり消費でき、私にとってホームシックを打破できる方法になったのです。
ストレス解消法はまさに人それぞれ。
ホームシックになるかもしれないことも想定して、ストレス解消法になること、ものを事前に準備して持っていくということも大切です。
ホームステイ中は、トラブルをうまく回避して、快適な留学期間を送りたいですよね。
そのためには、英語も含め、しっかりと事前準備・予防対策をしておくことが大切です。
ホストファミリーという立場についての理解と尊重を持ち、自らもある程度の柔軟性を持って生活できるように、心がけましょう。
また、ホームステイ中にどうしてもトラブルが発生してしまった場合には、ホストファミリーに直接相談・説明すること、または信頼できる担当者やエージェントに相談することを覚えておいて下さい。
生きていく上で、時間の流れにまかせてはいけないこともあります。
ホームステイ中のトラブルはまさにその一つ。
放置することで、小さかったトラブルが大きくなっていくこともありますから、今回ご紹介したトラブル以外のトラブルが起きてしまった場合も含め、必ず信頼できる人に即刻相談し、有意義なホームステイ期間に繋げる努力を惜しまないようにしましょう。