留学では、ホストファミリーのお宅で生活をさせてもらう「ホームステイ」もまた魅力ですね。
かなり昔のことですが(笑)、私も留学期間中はとても素敵なホストファミリー宅で生活させて頂きました。
異文化は当然ながら、生活習慣も全く違っているので、英語だけではなく、その国ならではライフスタイル・価値を含め、基本的なマナーも学ばせて頂きました。
国によってマナーも様々ですが、今回はカナダ留学でのホームステイにおいて、注意すべき点、失敗を未然に防ぐためのポイントをまとめてみました。
ホームステイ前に確認しておきたいこと
失敗しないホームステイのためにも、カナダという国はもちろん、期間中にお世話になるホストファミリー、家庭のルールなどについて、確認をしておく必要があります。
最低でも以下の点を確認しておきましょう。
・家族構成…ホストファーザーだけ、家族は男性だけという中に、女性留学生が1人ということは、おすすめできません。
・ペットの有無…アレルギーがある人、動物が苦手な人には、ホームステイ先にペットがいるかどうかを必ず確認しておきましょう。
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・ファミリールール…ホストファミリーの中には、とても厳格なルールを敷いているところもありますから、後々ストレスやトラブルの原因になってしまわないように、ある程度のルールを確認しておくことも必要です。
他にもできれば、宗教も確認しておきたいところです。
カナダは宗教に関して割と柔軟なようですが、宗教を第一に考えているホストファミリーに出会わないとも限りません。
私が留学中にお世話になったホストファミリーは、とても敬虔なクリスチャンでしたが、私や彼らの子どもたちに対して、日曜日には必ず教会で過ごす、平日の夜に行われるバイブルスタディに参加しなくてはいけないなどの厳しさはありませんでした。
一方、同じく留学生で、私の同級生だった人は、宗教を第一にしているホストファミリーから、毎日夕食後の数時間、ともに宗教のラジオを聴いたりバイブルスタディをしたりすることを強制され、日曜日は朝から晩まで教会で過ごしていたそうです。
彼女は恐怖心から誰にも相談できずにいましたが、宿題が全くできなくなり、先生から問われた時に、泣きながらそれまでの生活を訴えていました。
結局彼女の問題は、ホームステイ先を変更することで解決しましたが、稀にこういった極端なトラブルがあることも事実です。
そのようなことを避けるためにも、事前にできる限り気になる点についてチェックをしておくようにしましょう。
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カナダのホームステイ先について
上記で事前にチェックが必要としましたが、その反面、ホストファミリーのベースについて、理解をしておくことも重要です。
ホームステイを初めて経験する留学生の中には、「思っていたような生活とは違う」と感じる人が多くいるのだとか。
特に、バンクーバーなどのいわゆる大都市では、ホームステイを完全にビジネスと捉えている家庭も少なくありませんから、必ずしも家族の一員として迎えられるとは限らないのです。
また、子供が多くいる家庭、共働きでデリバリーなど栄養面に疑問が感じられる食事が日常的な家庭、シングルマザーの家庭、留学生を一度に何人も抱えている家庭など、状況も様々。
自身の家庭環境とは違う、違和感しかない、というのではなく、それぞれの状況をしっかりと把握し、尊重することも大切です。
そして、家庭によってルールも違ってきますが、以下に挙げる一般的なルールは最低限守るようにしましょう。
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カナダのホームステイでの一般的なルール
ではまず、ホームステイ先で厳守したい最低限のルールをまとめていきます。
もちろん、以下以外にもステイ初日からルールの確認をしておくようにしましょう。
▶食事について
ホームステイ先により、食事に関するルールも様々。
まれに、それぞれが自由な食事時間を持つ家庭もあるようですが、基本的には家族団らんの時間であり、コミュニケーションの最適な場としても大切なひとときです。
そんな時のルールが守れなければ、大きなトラブルになりかねませんから要注意ですね。
まず、食事の始め方ですが、これは見て学ぶことも必要になります。
家庭によって宗教自体も様々ですが、日本で食前に「頂きます」と手を合わせることと同様、家族の1人、または全員で食前の祈りを唱えたり、その時にも全員で手を繋いだり、それぞれが胸の前で手を組んだりするなどがよく見られます。
また、朝食と昼食は皆それぞれで準備する、というルールを持つ家庭もありますから、その場合は自身で対応しましょう。
他に守っておきたい細やかなこととして、
・夕食など家族団らんの時間に遅れる場合は、必ず事前に連絡しておくこと
・調理のために冷蔵庫や冷凍庫、パントリーなどの食材を使いたい場合は、必ず許可を得ること
・食事の準備、プレイスセティング(テーブル上の準備)、食後の片付けなどは、率先してお手伝いを申し出ること、特に自分の分は自分で洗ったり決められたルールに沿って片付けたりすること
などを心に留めておきましょう。
また、カナダでの食事マナーについて、過去に「カナダでの食事におけるマナー」として記事をアップしていますので、そちらも参考にしてみて下さいね。
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▶自己主張も時には大切
あまりにも我が身第一を押し通すばかりの強烈な自己主張は、単に我儘なだけ、となりかねませんが、自身の思いをしっかりと伝えることは大切です。
例えば食事について、どうしても苦手なもの、アレルギーの心配がある食品など、自身の食事量のこともふまえ、事前に伝えておく、お皿に盛り付けてくれる場合はその前に伝えるようにしましょう。
無理して食べたり、残して無駄にしたりせず、事前に伝えることもマナーです。
また、これは日本人にありがちだと思うのですが、「どうしたいのか?」、「どちらがいいのか?」と問われた時に、「何でもいい」、「どちらでも構わない」などと曖昧な返答をすることも避けたほうがいいでしょう。
とはいえ、相手のことも考えず、「私は絶対にこちら」と言い切るのも極端すぎるので、「私ならこちらを選ぶけれど、どう思う?」、「あなたさえよければ、私はこちらへ行きたい」などと、自己主張しつつ相手を気遣う言い方も大切です。
過ごしていくうちに、ホストファミリーの接し方やそれぞれの性格などもわかってきて、対応の仕方もやりやすくなるものですが、親しき仲にも礼儀あり、という気持ちを忘れないようにしたいですね。
▶洗濯について
洗濯についても、ホストペアレンツがまとめて行う、自分のものは自分で洗濯する、下着だけ自分で洗うなど、ホームステイ先でそれぞれのルールがありますから、その都度対応するようにします。
気をつけておきたいこととして、日本のように洗濯物を外で干すということができない地域もあるということ。
例えば、私が現在住んでいる地域では、夏には蜂などの虫が発生し、洗濯物の中に入り込むこともあり、危険とも言えます。
また、地域によっては景観が第一とされ、洗濯物を干してはいけないという法律を定めているところもあるようです。
日本のような洗濯の仕方が、トラブルに繋がることもあるかもしれませんから要注意。
ホストファミリーに確認を取ることが先決ですが、どちらにしても洗剤や乾燥機用の柔軟シーツといった洗濯用品は、自身で準備しておくようにしましょう。
また、海外では日本に比べると水道光熱費が高額な地域もありますし、地域によっては節水を強く求めているところもあります。
洗濯機・乾燥機の使用電力量がとても大きいことから、リーズナブルな電気料金となる時間帯だけ、洗濯OKとしている家庭もあるようです。
家の構造上一度に使用できる温水量が少なめということなどもあり、洗濯回数をきっちりと決めている家庭もありますから、自身のペースだけで洗濯はできないということを覚えておきましょう。
そういったことも踏まえて、日本を発つ前から、衣類・下着などは1週間以上洗濯しなくても大丈夫な量を持っていくことがおすすめです。
もちろん、あちらでもお買い物は可能ですが、いくらネット時代とはいえ、到着してすぐからショッピング可能な時間があるとも限りませんし、まずはホストファミリーとのコミュニケーションを重要視するためにも、身の回りの準備は万端にしておきましょう。
そして、洗濯をする時は、その都度一言伝えることも大切。
家族の誰かがシャワーをしたい、既にしているとなると、洗濯機を回すことでお湯が出なくなったり、シャワーの水圧が弱まったりすることもあります。
迷惑にならないためにも、今洗濯しても良い状況なのかどうかの確認をするようにしましょう。
ちなみに、家庭によってはコインランドリーを使用しているところもありますから、最初にしっかりとご確認を。
▶シャワー、お風呂について
お風呂については、生活習慣の違いから、ホストファミリーと留学生の間で、トラブルも少なくないようです。
日本人にとっては、ある程度の時間を湯船に浸かって過ごすことが日常的ではあるものの、既述した通り、高額な水道代や貴重な資源の確保、使用できる一定の温水量のことなどから、海外の地域では、入浴がとてもラグジュアリーなリラックス法として捉えられることも珍しくありません。
ホームステイ先では、基本的に湯船に浸かるということはできない、しないと覚悟しておきましょう。
シャワーのみを使い、10分以内で済ませられるようにすることが大切。
長々とお湯を使ってしまうと、次に使う人が水のシャワーになることも考えられます。
しかも、欧米などでは、シャワーは夜ではなく、朝の出勤・通学前に行うことが一般的ですから、夜にシャワーすることを不思議がられたり、バスルーム近くの部屋にいる人には、音に悩まされたりすることも。
・関連 >>女性が朝起きて最初にすること10選【朝一番にする習慣を深掘】
シャワーはいつしてもいいと言ってくれても、できる限りホストファミリーの使用時間帯に合わせるようにした方が無難でしょう。
ちなみに、現在異国で暮らしている私と私の家族ですが、私以外は日本で生まれ育った人ではないため、基本的に入浴という習慣はありません。
しかも、水道光熱費があまりに高いこと、バスタブが日本より幅・長さともにかなり広めであることから、ためる湯量もその時間もかかること、バスタブは2階、洗濯機は地下ということで、お湯の再利用も難しいことなどから、私自身入浴はほとんどしなくなりました。
足湯用の桶は持っているので、冬に足湯をすることはあります。
海外の高額な水道光熱費、バスタブの大きさも考えると、ホームステイ先での入浴はNGと考え、スーパーに売られている食器洗い用の桶を買い、週に一度くらい、その桶にシャワーからお湯をためて、勉強している間に足湯をするのもいいかもしれません。
海外でもフットバスはポピュラーですし、問題はないと思いますが、当然ながら部屋で足湯をしたいのだけれどと、ホストファミリーに伺ってからにしましょう。
そしてもう一つ、バスルームについて注意しておきたいことですが、ドアは通常、使用中は閉じられていて、誰もいない場合には、その目印となるように、少し開けた状態にしておきます。
これはバスルームに限らず、どの部屋も閉まっていればノックをすること、誰にも入ってほしくない場合は、閉めておくこと、また、慣れるまではバスルームであれ寝室であれ、ドアが少し空いていても、軽くノックをして入ってもいいかどうかを伺うのもマナーです。
▶喫煙・飲酒について
たばこ、お酒を好む人にとっては、ホームステイ先で喫煙・飲酒が可能かどうか、ホストファミリーに喫煙者やアルコール好きな人はいるのかどうかと、気になるものですよね。
もちろん、ホームステイ先によって喫煙や飲酒のルールも様々ですので、必ず事前に確認を取るようにしましょう。
私は喫煙も飲酒もしませんが、留学当時のホームステイ先でも、喫煙・飲酒は絶対禁止でした。
彼らは私を受け入れる前に、ヨーロッパから16歳の留学生を数週間だけ受け入れていたそうですが、禁煙・禁酒のルールを全く守らず、空き瓶やタバコの吸い殻を外に投げ捨てていたそうです。
郷に入っては郷に従え、ホストファミリーから屋内、敷地内でも喫煙・飲酒がNGと伝えられたら、そのルールを尊重し、絶対に守るようにしましょう。
ホームステイ先の敷地内でも禁煙・禁酒と言われた場合は、公共の場を利用することになりますが、カナダには喫煙・飲酒に関して日本とはまた違ったルールも数多くありますのでご注意を。
さらに、嫌煙者では、タバコのニオイさえも駄目という人たちもいますので、家の中に入るまでにできる限りの消臭を心がける、また、酒癖が悪いと周囲からよく言われている人の飲酒は、特に気をつけたいもの。
そういった細やかな気配りも、マナーであり常識です。
まずは、下記の関連記事を参考にして下さい。
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▶インターネットなど通信の使用について
今はどこにいてもネットで連絡が取れる便利な時代ではありますが、カナダは広大ですから、地域によってネット環境に多少の違いはあるようです。
私が住む地域でも、距離にしてそれほど変わらないのに、未だにネットが繋がらないスポットがいくつかあります。
そういった地域では、経済的な理由よりも、繋がりやすさでネット環境として電話回線やケーブルなどを選択しているはず。
無制限で利用できる場合もあれば、制限を設けている家庭もあります。
カナダは特に、ネットの使用無制限のプランに加入している家庭はまだそれほど多いわけではないそうですから、データの使用量にも上限があります。
超過すれば高額な請求をされてしまうため、膨大なデータ量となるダウンロードをNGとしている家庭も多いようです。
まずはホストファミリーに確認を取るようにしましょう。
家庭でネット環境が使用できない場合は、学校はもちろん、公共施設でのFree Wi-Fiや、契約したPocket Wi-Fi、SIMカードなどの利用がおすすめです。
そして電話を使用したい場合ですが、こちらもまずはホストファミリーに許可を得ることが大切です。
国によって市内通話が無料、あるいは一定料金というところもありますが、かける時間帯にも気をつけたいもの。
そして、その支払い方法も前もって確認しておくようにしましょう。
基本的には、1回分の通話料を決めておき、その都度ホストファミリーに支払う、プリペイドやコーリングカードを利用するなどの対応が行われているようです。
▶貴重品の自己管理
ホームステイ先では、当然ながら貴重品の管理は自己責任となります。
残念なことですが、ホームステイであれ寮であれ、貴重品をなくしてしまったと嘆く留学生は、珍しくありません。
日本とは全く違う環境ですから、危機管理能力を高く持つことも大切。
お世話になっているホストファミリーとのトラブルを避けるためにも、自身でしっかりと管理するようにします。
おすすめとしては、鍵付きのスーツケースや、ホームセンターなどで手に入る、少し重めのセーフティボックスもいいでしょう。
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失敗しないホームステイのために
ホームステイ先で、有意義な留学期間を過ごせるか否かは、自身の心得一つ。
ホストファミリーと全く合わない、という留学生の話も聞きますが、そのほとんどがコミュニケーション不足とされています。
ホストファミリーばかりを責めるのではなく、自分自身を見つめ直すことも大切です。
留学の根底にある学ぶ精神を強く意識することは重要ですが、英語力さえ伸ばせればいいという考え方はNGです。
日本とは違った家庭のあり方、その国の文化や習慣、日本人との考え方の違いなど、知識を深めていくことも、自分自身を高めることに繋がるはずですし、その姿勢がホームステイを成功に導いてくれます。
だからといって、役者になったつもりでカナダ人になりきる、というのではもちろんありません(笑)。
少なくとも以下について意識するようにし、コミュニケーションを高める努力をしましょう。
▶移民国であるカナダ
カナダは、世界中から様々な人種が集まった、移民の国です。
ホストファミリーは、必ずしも生粋のカナディアンとは限らないと覚えておきましょう。
それもまた、カナダ以外の文化などが学べるチャンスになるはず。
▶カナダ文化を理解、尊重すること
よく、「海外では日本の常識が通じない」と耳にします。
日本とは違ったマナーなどにも戸惑いを感じるかもしれませんが、そういったことに不平不満ばかりを募らせるのではなく、しっかりと把握していくことが大切です。
自身の許容範囲を広げることで、目からうろこというような、素晴らしい体験をすることもあり得ます。
▶ゲストではないということ
ホームステイは、異文化交流の場であり、ゲストとして滞在するホテルのような場ではありません。
ホストファミリーを、食事の準備や掃除など身の回りをしてくれるハウスキーパーとして考えるのは絶対にNGです。
部屋に閉じこもったまま、英語のミスが怖くて話さない、わからないことを聞こうともしない…そんなコミュニケーション不足では、留学する意味がありませんよね。
知ったかぶり精神は一切持たず、わからないことは聞く、自ら率先してお手伝いやイベント参加を申し出る、発音のミスなど失敗を恐れることなく自ら積極的に話しかけるなどの努力を怠らないようにしましょう。
そして、自分の意見もしっかりと伝えられるようにしましょう。
英語は、耳だけで覚えるのではありません。
自ら口にすることで、正しい発音も覚えていけるものです。
留学期間中には、カルチャーショックとホームシックはつきもの。
ですが、せっかく貴重な体験をさせて頂いているのですから、理解と尊重を持って、英語も含めて多くのことを吸収できるチャンスを無駄にせず、ルールをしっかりと守って、トラブルのない楽しい滞在を心がけましょう。