サウナ用語に「ドラクエ」という言葉があります。
ドラクエとはもちろん、国民的ゲームシリーズの「ドラゴンクエスト(DragonQuest)」の略称です。
しかし、サウナでゲームをするわけではありません。
サウナ用語の「ドラクエ」とは、サウナ・水風呂・外気浴などを、ゾロゾロと複数人で一緒に行動しながら利用することをいいます。
RPGゲームであるドラクエでのパーティ(主人公と仲間たち)が移動する際の動きに似ていることから、そう呼ばれています。
この記事では、ドラクエと呼ばれるようになった詳しい理由 や 禁止されている理由、 ドラクエをする人の心理や 特徴などを解説しています。
- サウナ用語のドラクエとは、サウナなどで複数人がゾロゾロ一緒に行動することをいう
- サウナでのドラクエは、他の利用者の邪魔になったり感染拡大の原因になったりするから禁止されている
- サウナでドラクエをしてしまうのは、集団心理が働くため
- サウナでドラクエをする人は、大学生などの若者やおばさんに多い
- サウナでドラクエをする人たちに対する「なんj」の評判は悪い
- サウナ用語には、ドラクエ以外にも「羽衣」や「あまみ」など面白いものが色々ある
- サウナでのドラクエ以外にも、注意すべきマナー違反行為はたくさんある
- 1.サウナでうざいといわれるドラクエ行為(ドラクエ行動)とは
- 2.サウナでのドラクエ行為が禁止される理由
- 3.サウナでドラクエ行為をしてしまう心理とは
- 4.サウナでドラクエ行為をしてしまう集団の特徴
- 5.サウナでのドラクエに対するなんjの反応
- 6.ドラクエ行為以外にもあるサウナの用語
- 7.ドラクエ行為以外にもあるサウナでのマナー違反行為
1.サウナでうざいといわれるドラクエ行為(ドラクエ行動)とは
サウナ用語としてのドラクエは、「ドラクエ行為」や「ドラクエ行動」とも呼ばれます。
ドラクエ行為は、サウナ好きの間では「うざい」行為であると嫌がられており、マナー違反行為として認識されています。
では、なぜサウナでのマナー違反行為に、まったく関係ないゲームの名前が使われているのか、疑問を持つのは当然です。
ここでは、ドラクエと呼ばれるようになった由来と、実際にドラクエに遭遇したときどうするかなどについて解説します。
- 「ドラクエ」とは、複数人でサウナなどを移動すること
- ドラゴンクエスト内のキャラクターたちの動きに由来する
- ドラクエ行為を直接注意するのはよくない
- ドラクエ行為は、利用時間をずらしたり耳栓を使ったりすることで対処できる
1-(1).サウナで使われる用語「ドラクエ」
サウナ用語の「ドラクエ」とは、サウナ・水風呂・外気浴などを利用する時に、複数人がゾロゾロと一緒に行動することをいいます。
仲のいい複数人で一緒にサウナに行くことは、ごく普通のことです。
しかし、サウナ内で複数人が一緒に行動することは、他の利用客の迷惑になったり不快な気分を招いたりすることが多いのです。
そのマナー違反行為を揶揄する(バカにする)のに、日本人の誰もが知るゲームの名前を借りて作られた用語が「ドラクエ」です。
1-(2).「ドラクエ」と呼ばれる理由
「サウナでドラクエと呼ばれるのはなぜ? 」
それは、複数人でゾロゾロと一緒に行動する様子が、ドラゴンクエストのキャラクターたちの動きに似ているからです。
具体的にイメージできない人は、下の動画を観るとわかりやすいです(2分3秒時点から開始)。
起源はハッキリとしませんが、若者の間でサウナブームが起こり始めた頃に使われだしたので、呼ばれはじめたのは最近です。
誰にでも伝わる国民的ゲームシリーズの「ドラゴンクエスト」の特徴を面白おかしく使ったからこそ流行した言葉といえます。
1-(3).サウナでのドラクエは注意すべきか
サウナでドラクエ行為をしている人たちに会っても、文句を言ったり直接注意したりすることは、おすすめできません。
利用客同士でマナー違反行為を解決しようとすると、揉めごとやケンカに発展してしまいます。
そうなると、注意をした人が危険な目にあうだけでなく、他の利用客にも迷惑がかかります。
正義感の強い人やサウナが大好きな人は直接注意してしまいがちですが、ぐっとこらえて別の対策をとる必要があります。
1-(4).サウナでのドラクエをする集団への対処法
サウナでのドラクエ行為をする人たちに出会ってしまったとき、適切な対処法として、利用時間をずらしたり耳栓を使ったりする方法があります。
- 利用時間をずらす
ドラクエ行動をしがちな人たちで混雑する時間を避けてサウナを利用する方法です。
後で詳しく説明しますが、サウナでのドラクエ行動は大学生など若者たちに多く見られます。
大学生たち若者がサウナをよく利用する時間を把握し、その時間を避けることでドラクエに遭遇する確率を下げることができます。
- 耳栓を使う
ドラクエに伴う行為でもっとも迷惑なおしゃべりは、耳栓を用意することで対処できます。
スポンジ素材でできている通常の耳栓は、汗やサウナの湿気を吸ってしまい、うまく使えない可能性が高いです。
そこで、執筆者がおすすめするのは、シリコン製で防水仕様の耳栓を使うことです。
水洗いができて清潔なうえに、Amazonなどで簡単に手に入ります。
2.サウナでのドラクエ行為が禁止される理由
「サウナドラクエは迷惑行為ですか?」
サウナなどでのドラクエ行為は、マナー違反行為として禁止されています。
「ドラクエ」という表現をしたうえで、明確なルールで禁止しているサウナは少ないです。
しかし、ドラクエ行為は、会話禁止や感染拡大防止のルール・マナー違反につながることが多いです。
つまり、簡単に言えば、おしゃべりや感染拡大を助長するなどの理由から、ドラクエ行為は禁止されているのです。
ここでは、サウナでのドラクエがどうして禁止されているかを、もっと具体的に説明します。
- おしゃべりの原因になるから
- 場所をとって他の人の迷惑になるから
- 会話や距離によって感染症拡大の原因になるから
2-(1).サウナでのドラクエはうるさいおしゃべりの原因になる
複数人でサウナ・水風呂・外気浴を一緒に楽しむ際、ずっとおしゃべりを我慢できる人は、ほとんどいません。
仲のいい人たちでドラクエ行為をしていると、ついついうるさい声でおしゃべりしてしまうことが多いです。
サウナをうるさい状態で利用すると、「整う(ととのう)」ことが難しくなります。
整うとは、簡単にいえば、サウナ・水風呂・外気浴を経たことにより心地いい状態になることをいいます。
整うためにはリラックスした状態が必要なのですが、おしゃべりにイライラすると精神状態が不安定になります。
他の利用客が整う邪魔になるおしゃべりがつきもののドラクエ行為は、マナー違反として禁止されているのです。
2-(2).サウナでのドラクエは場所をとるため邪魔になる
サウナや水風呂は、基本的に狭いことが多いため、複数人で同時に利用すると、場所をとるため他の人が利用できなくなります。
また、サウナは1人で利用するときよりも、複数人で一緒に利用するときの方が長時間利用してしまいます。
仲がいい人同士であれば我慢比べをはじめてしまって、長時間サウナを占領してしまうこともあります。
せっかくサウナを楽しみにきた他の利用客にとっては、とても迷惑な状態です。
2-(3).サウナでのドラクエは感染症拡大の原因になる
サウナで複数人が一緒に行動することは、会話や近距離を招き、感染症を拡大させるおそれがあります。
新型コロナウイルス流行後、サウナでも会話禁止ルールを特に強調し、ソーシャルディスタンスを呼びかけるサウナが急増しました。
ドラクエ中の人たちの会話は飛沫感染の原因となり、自分たちだけでなく周りの利用客も危険にさらします。
また、一緒にゾロゾロと行動している状態では、距離的にも、より感染の確率が上がります。
3.サウナでドラクエ行為をしてしまう心理とは
ドラクエというサウナ用語が作られてしまうほど、複数人で必要以上に行動を共にして迷惑行為をする人が多いのには、理由があります。
それは、サウナでのドラクエに、集団心理というものが関係しているからです。
私たち人間は、古来から集団を作って生きてきました。
集団を作ることで、匿名性・被暗示性・感情性を代表とする様々な心理的特徴というものがあらわれます。
この心理的特徴を原因として、迷惑行為が起こってしまうのです。
ここでは、サウナでのドラクエ行為をする人は、どういった心理から迷惑行為をしてしまうのかを解説します。
- 自分の行動に責任と個性が持てなくなる(匿名性)
- 暗示にかかりやすくなり冷静さを失う(被暗示性)
- 感情優先になり論理的な行動ができなくなる(感情性)
- 大きな力を手に入れた感覚になる
- 同調圧力を感じて正しい行動ができなくなる
3-(1).サウナでのドラクエによって匿名性が強まるから
匿名性
自己の言動に対する責任感と個性がなくなること(無名性、無責任性)。
集団で行動していると、「他の人もしていることだから」と自分を正当化して、迷惑をかけることに責任を感じにくくなります。
匿名性が強まることによって、個人としての責任感が無くなり、社会的モラルが低下するからです。
3-(2).サウナでのドラクエによって被暗示性が強まるから
被暗示性
被暗示性とは、暗示のかかりやすさ。群衆の中の一人になると、被暗示性が高まり暗示にかかりやすくなる。
集団で同じ行動をしていると、冷静な判断力を失って、他人に迷惑をかける行動の善悪の判断がつかなくなります。
被暗示性が強まることによって、その集団の行動が正しいと思い込んでしまうからです。
3-(3).サウナでのドラクエによって感情性が強まるから
感情性
感情的になる。論理的に考えられなくなる。
集団で行動すると、他人に迷惑がかかろうと自分のやりたいことを優先してしまいます。
感情性が強まることによって、論理的に考えることができず、自分の感情を優先してしまうようになるからです。
3-(4).大きな力を持っていると錯覚してしまうから
力の実感
自分達が強くなったような気がする。
集団の中にいると、気が大きくなったり好戦的になったりして、悪びれなく(恥じることなく)他人に迷惑をかけるようになってしまいます。
権威性ともいう心理的特徴が強まり、「自分は1人ではない」と感じ、大胆な行動をとってしまうからです。
3-(5).同調圧力に勝てないから
集団の中にいると、周りに合わせなければならないという同調圧力を感じ、正しいと思ったことでも行動できなくなってしまいます。
個人的に他人に迷惑をかけることが悪いと感じていても、集団が総意によって他人に迷惑をかける行動をとるのであれば、それに従ってしまうのです。
これは「集団からはじかれたくない」「仲間外れにされたくない」と考えてしまい、正しい行いをするよりも、自己保身に走ってしまうからです。
4.サウナでドラクエ行為をしてしまう集団の特徴
サウナでドラクエ行為をしてしまうのがどんな人たちかといえば、実は、大学生などの若者やおばさんに多いです。
若者やおばさんには、集団で行動することが習慣化されているという特徴に共通点があります。
普段から集団で行動したりコミュニケーションをとったりすることが多い人たちは、サウナなどでも自然と集団で行動しやすいです。
ここでは、若者たちやおばさんたちといった、サウナでドラクエ行為をしてしまう集団の特徴を個別に説明していきます。
- 若者:複数人で行動することが多いため
- 大学生:若者の中でも特に集団行動しやすい環境で生活しているため
- おばさん:おしゃべりなどコミュニケーション能力が高いため
4-(1).複数人でサウナに来やすい若者たち
複数人で遊んだついでにサウナへ来ることが多い若者たちは、ドラクエ行為をしやすいです。
近年、若者の間でサウナブームが起こり、友達同士で遊びに行った帰りなどにサウナに寄って汗を流して帰るという若者がとても増えました。
また、年齢を重ねると家族ができたり仕事が忙しくなったりします。
すると、友達と一緒にサウナへいけるような時間や機会が減ってくるため、複数人でサウナに来るのは若者が多いのです。
仲のいい複数人でサウナに来ると、自然とサウナ内での行動も一緒になりがちであり、ドラクエ行為をしやすくなります。
4-(2).普段から一緒に行動している大学生たち
若者の中でも、特に大学生は集団で行動することが多いため、サウナへ複数人で来てドラクエ行動をしやすいです。
大学生は、友達同士で時間割を合わせて授業を受けたり遊びに行ったりすることが多く、普段から複数人で移動しているのが普通です。
時間が合わせにくい社会人や、授業や部活の時間が多い高校生などに比べ、若者の中でも特に大学生は、サウナを複数人で利用しやすいのです。
結果として、一緒に来た友達同士で集まってドラクエ行動をとってしまうのです。
4-(3).おしゃべりが大好きなおばさんたち
いわゆる「おばさん」は、特におしゃべりなどのコミュニケーションが好きなので、サウナでもドラクエ行為をしてしまいがちです。
おばさんと呼ばれる年代の女性は、普段から、旦那に対するストレスや自分の子供に関しての悩みを多く抱えています。
また、そもそも女性は、はるか昔、男性が狩りをしている間に女性たちで協力して子育てをしていましたから、古来よりコミュニケーション能力が高いのです。
悩みの多さとコミュニケーション能力の高さが原因で、おばさんと呼ばれる人たちはドラクエ行動をし、おしゃべりをしてしまうのです。
5.サウナでのドラクエに対するなんjの反応
サウナでドラクエ行為をする人々に対して、実際のところ、世間はどう感じているのかネット掲示板の「なんj」で調査してみました。
「なんj」とは、「2ちゃんねる」や「5ちゃんねる」における「なんでも実況板」の略称です。
「スレッド」と呼ばれるネット上の場所で、色々な人が様々な話題について書込みを行い、意見を交換するものです。
ここでは、
「【悲報】スパ銭やサウナでいる男の『ドラクエ歩き』が社会問題に マンモーニかよこいつら」
というスレッドから、サウナでのドラクエについての意見を紹介します。
- サウナでドラクエ行動をする若者がうるさいとの書込み
2021/09/13(月) 10:39:27.79
最近、ホントに若者の集団、ウザいなーと思っていたが、ドラクエなんていう言葉が出来てたんだな。サウナ室でうるさいんだよ。
黙欲の貼り紙も貼ってあるのに。
サウナ用語の「ドラクエ」が浸透しはじめた初期の書き込みです。
上でも説明したように、ドラクエ行為は若者の集団に多くみられるという実態もうかがえます。
ドラクエ行為の何が迷惑なのかという点についても、「サウナ内での会話がうるさい」という風に触れられています。
このように、せっかくサウナを楽しもうとしていたのに、ドラクエ行動をするうるさい集団に邪魔をされてしまい頭を悩ませる人が多いのが現実です。
- 水風呂でドラクエ行動をする集団に苦言をする書込み
2021/09/13(月) 10:52:36.36
>>10
邪魔なんだわ
特に水風呂なんてどこもそんなに大きくないから3人4人で同時に入られるともう入れなくなる
気持ちいい瞬間も限られてるのに
上で説明したように、サウナでのドラクエは場所をとるため邪魔になるという、ドラクエ行為が禁止される原因についての書込みです。
書込み内容のとおり、特にサウナ付きの銭湯などの水風呂は小さいことが多く、一度に多くの人は入れません。
例えば、サウナで暑いのを我慢して、やっと水風呂に入れると思ってサウナを出ます。
そんなとき、ドラクエ行為をしている集団に水風呂が占領されていて、せっかくの気持ちいい瞬間が失われてしまった時の落胆は、簡単に想像できます。
このように、世間では実際、ドラクエ行為を迷惑だと感じている人が多いことがわかります。
6.ドラクエ行為以外にもあるサウナの用語
サウナ用語の「ドラクエ」について、この記事で初めて知った人は多いはずです。
ドラクエのように、サウナ用語には他にも、サウナ好き以外は知らないような独特で面白いものが存在します。
ここでは、有名なものも含め、代表的なサウナ用語を4つご紹介します。
- 「整う(ととのう)」...サウナなどを経て心地いい状態になること
- 「羽衣」...サウナ後の水風呂内で身体の表面を覆う膜のような感覚
- 「汗流しカットマン」...サウナ後にかけ湯などをせず水風呂に入る人
- 「あまみ」...サウナと水風呂を繰り返すことで身体にできる模様
6-(1).整う
「整う(ととのう)」とは、簡単にいえば、サウナ・水風呂・外気浴を経たことで心地いい状態になることです。
サウナブームが起こったことをきっかけに有名になったサウナ用語で、サウナ好きの人でなくても知っているサウナ用語です。
自律神経という身体の機能のうち、興奮・緊張したときに活性化する「交感神経」と、リラックスしたときに活性化する「副交感神経」の働きによって起こる状態です。
サウナ | 水風呂 | 外気浴 | |
---|---|---|---|
交感神経 | 一気に上昇 | 一層上昇 | 緩やかに降下 |
副交感神経 | 一瞬上昇後すぐに降下 | 降下したまま | 急上昇 |
上の表のように、サウナ・水風呂・外気浴の一連の流れによって、交感神経と副交感神経が、それぞれ大きく変化します。
その結果、身体は「アドレナリン」という興奮ホルモンが発生したままリラックスしているという、奇妙な状態になります。
これが、「整う(ととのう)」というものの正体です。
6-(2).羽衣(はごろも)
サウナに入った後、水風呂に浸かって動かずにいると、身体の表面をあたたかい膜が覆うような感覚があらわれますが、これを「羽衣」といいます。
これは、タナカカツキ作の漫画「サ道」というサウナの漫画で使われたのが起源であると言われています。
本来の「羽衣」の意味は
天女が着て、自由に空中を飛行するといわれる衣。天 (あま) の羽衣。
引用:goo国語辞書
というものです。
サウナで高い温度になった皮膚と冷たい水との間に発生するぬるい温度の水の層を羽衣に例えた、面白いサウナ用語です。
6-(3).汗流しカットマン
サウナを出て汗をかいた状態のまま、かけ湯やシャワー無しで(汗を流さず)水風呂に入る人のことを「汗流しカットマン」といいます。
サウナを出て水風呂に入る際は、かけ湯をしたりシャワーを浴びたりして汗を綺麗に流してから利用するのがマナーです。
「水風呂に入る前はかけ湯をしてください」という張り紙があるところも多く、汗だくのまま水風呂に入るのは禁止行為とされています。
それでも、早く水風呂に入りたいからと、サウナを出て汗だくのまま水風呂に入るマナー違反をおかす人は一定数います。
汗を洗い流すことを省略するマナー違反をおかす人を、面白おかしく表現したのが「汗流しカットマン」です。
6-(4).あまみ
サウナと水風呂によって、腕や足などの皮膚にあらわれる赤い斑点のことを「あまみ」といいます。
サウナの温熱刺激による⾎管拡張と⽔⾵呂による⽪膚表⾯の冷却を繰り返すことで⾎管の拡張と収縮がまだらに起き、ピンク⾊の網⽬状に⾒える現象であり、サウナーの間では良質のサウナの特徴と⾔われている。
引用:小林依子(2021)「サウナ性紫斑の2例」The Japanese Journal of Sauna,vol1,11頁
語源は、皮膚がやけどのような状態になった「温熱性紅斑」という症状を、「あまみ」と呼ぶ北陸地方の方言にあります。
サウナと水風呂によってあらわれる皮膚上の赤い斑点の見た目が、温熱性紅斑(「火だこ」とも呼ばれる)に似ているため、そう呼ばれるようになりました。
7.ドラクエ行為以外にもあるサウナでのマナー違反行為
ここまで、サウナなどでのマナー違反行為であるドラクエについて解説してきました。
しかし、サウナ・水風呂・外気浴の利用には、ドラクエの他にも注意すべきマナー違反行為が存在します。
記事の最後として、ここではドラクエ以外の代表的なマナー違反行為について説明します。
- サウナに入る前に身体や頭を洗わない
- びしょびしょにぬれたままサウナに入る
- サウナ内で寝転がる
- うるさい声でおしゃべりする
- セルフロウリュをする
- サウナ内でぬれたタオルを絞る
- サウナ後、水風呂に入る前に身体を洗わない
- 水風呂で頭までつかる(潜る)
- 汗がついた椅子を洗い流さない
7-(1).サウナの前に身体と頭を洗わない
頭と身体をしっかり洗わずサウナルームに入るのは、マナー違反です。
サウナは汗をかくものですが、汗には老廃物や皮脂といった汚れが混じっています。
頭や身体を洗うことなく汗をかくと、汚れの多い汗がサウナの椅子や床に落ち、サウナがとても不潔な状態になります。
また、頭や身体を洗う前に密室のサウナに入ると、臭いで迷惑をかける可能性もあります。
サウナ室を清潔に保ち、利用客全員が快適にすごすことができるよう、サウナ前にはしっかり頭と身体を洗うのがマナーです。
7-(2).身体の水滴を拭かずにサウナへ入る
身体がびしょびしょにぬれている状態でサウナルームへ入るのは、マナー違反です。
身体がぬれている状態でサウナルームに入ると、サウナルームの床がびしょびしょになり、異臭の原因やサウナの温度が下がる原因になります。
また、マナー抜きにしても、身体をしっかりと温めるためにも、身体がぬれている状態はよくありません。
完全に乾かすことは不可能でも、ある程度はタオルで身体の水滴を拭き取ってからサウナに入らなければなりません。
7-(3).サウナで寝転がる
サウナルームの椅子などで寝転がることは、マナー違反です。
サウナルームは、長椅子のようなところで座るように設計されていることが多く、寝転びやすい環境になっています。
しかし、寝転ぶための専用スペースなどが無い限り、寝転んで利用すると他の利用客の迷惑になります。
例え、サウナ内で周りに人が少なく寝転ぶのに十分なスペースがあったとしても、後から入ってきた人が困惑しますし、周りの人もいい気分はしません。
自分勝手に場所を独占することがマナー違反なのは、ドラクエと同様です。
7-(4).最小限の会話を超えておしゃべりする
サウナは静かに利用するのがマナーであり、必要最小限を超えたうるさいおしゃべりは、マナー違反です。
コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、サウナ内での「黙浴」(黙ってサウナを利用すること)をルールとする店が急増しました。
これは、サウナという密室で会話することによって、コロナウイルスやインフルエンザなど、感染症の飛沫感染のおそれがあるからです。
また、他の利用客のおしゃべりによってイライラしたり気が散ったりすると、リラックスができなくなり、整う(ととのう)こともできなくなります。
他の利用客の健康や癒しの時間を守るためにも、サウナ内で必要最小限を超える会話をしてはいけません。
7-(5).セルフロウリュを始める
セルフロウリュは、普通にサウナを利用したい他の人に迷惑がかかってしまうので、マナー違反です。
「ロウリュ(ロウリュウ)」とは、熱されたサウナストーン(サウナ内を暑くするための石)に水をかけて蒸気を発生させる入浴方法のことをいいます。
また、一般的にロウリュといえば、「アウフグース」をあわせ含めていうことが多いです。
アウフグースとは、発生した蒸気を熱い空気とともにタオルやうちわであおぐなどして、サウナ利用者へ熱波をかける入浴方法のことです。
つまり、セルフロウリュとは、勝手にサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させ、自分自身をタオルなどであおいで熱波を浴びる入浴方法のことです。
セルフロウリュは、他の利用客にとって望まない蒸気や熱波を発生させるため、普通にサウナを楽しみたい人にとって非常に迷惑な行為です。
7-(6).サウナ内でタオルを絞る
サウナ内で汗や水でぬれたタオルを絞ることは、サウナ内を不潔にしたりサウナ内の温度を下げたりするもとになるので、マナー違反です。
身体がぬれている状態でサウナルームに入る場合と同じく、サウナルームの床がびしょびしょになり、異臭の原因やサウナの温度が下がる原因になります。
また、水しぶきが他の利用者にかかってしまう可能性もあり、あらゆる迷惑の原因になることから、マナー違反行為とされています。
7-(7).水風呂の前に汗を流さない
サウナを出て汗をかいた状態で、かけ湯やシャワーをあびることなく水風呂に入ることは、マナー違反です。
上で説明した、 汗流しカットマンと呼ばれてしまう行為をいいます。
これも説明しましたが、汗には老廃物などの汚れが混ざっていますから、汗だくの状態で水風呂に入ると、水風呂が不潔になってしまいます。
水風呂は、中の水を新しいものへと循環させていることが普通ですが、菌などが繁殖してしまうおそれもあります。
サウナを出たら、早く水風呂に入りたい気持ちを抑えて、かけ湯やシャワーを浴びるのがマナーです。
7-(8).水風呂に潜る
頭まで冷やしたいからという理由などから、水風呂に入っているとき、頭まで水に沈めて潜るのは、マナー違反です。
水風呂に限らず、普通のお風呂であっても潜ってはいけないのが周知のマナーです。
これは、髪や顔には汗や皮脂が多く残っていることが理由として挙げられます。
特に髪は、かけ湯やシャワーをあびても多くの汗や皮脂が残っているため、お風呂につけてしまうと、お風呂に汚れが広がります。
また、潜ることで、お風呂の中の水が波立ったり水しぶきが起こったりしてしまうため、他の利用客に迷惑がかかります。
頭を冷やしたいときは、冷たい水やシャワーを湯舟の外であびるのがマナーです。
7-(9).休憩後に椅子を洗い流さない
自分が使った後、汗がたくさんついた休憩用の椅子をきれいに洗い流さず立ち去ることは、マナー違反です。
休憩用の椅子は、他の利用者と共有して使うものです。
他の人が使った後の汗や皮脂など汚れがついた状態の椅子を使いたいと考える人はいません。
マナーとは、自分が少し行動を意識して、他人が嫌がったり不快に感じたりしないことを目指すものです。
休憩した後に、自分の使った椅子をひと流しするだけで、サウナを利用する全員が快適で安全に過ごすことができます。