その国の言葉とともに文化習慣も学べるホームステイ。
私も遠い昔(笑)、学生時代にホームステイを経験しましたが、素敵なホストファミリーに出会い、とても貴重で有意義な留学期間を終了、今でもそのホストファミリーとの交流を楽しませて頂いています。
ですが、そんな私は本当にラッキーだったと思えるほど、現在でも多くの留学生からホームステイでの怖い体験話を耳にすることも事実。
また、これから留学を控えている人たちも、様々な不安や疑問を抱えていることでしょう。
今回は、ホームステイ先での怖い体験話や対処方法などをまとめていきます。
ホームステイ先での怖い話と対処法
では、実際にあったホームステイ先での怖い体験話をいくつかご紹介していきましょう。
その場合の対処法も挙げておきます。
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▶1人でホストファミリー宅に残される
ホストペアレンツの多くが共働きでもあるため、まだ慣れていない時から、1人だけで家に残されてしまった、ということはよく聞きます。
留学前から、ホストファミリーや地域の治安についてある程度知らされているのならまだしも、いきなり出会った翌日から知らない土地、初めての家で1人残されてしまったら、不安で仕方ないですよね。
セキュリティについてなどは、前日にしっかりと確かめておく必要があります。
また、前回「初日にホストファミリー不在!」という記事にした通り、稀に初日からホストファミリーと会えなかったということも。
事前にそういったことも想定して、対策を立てておく事が必要です。
▶宗教を第一とするホストファミリーの恐怖
宗教関連の怖いホームステイ体験談は、私もよく耳にします。
以前にも「ホームステイ前に確認しておきたいこと」という記事の中で少し触れましたが、当時の同級生で私と同じくホームステイをしている留学生のホストファミリーは、とても宗教に熱心で、留学生にまで、自分たちの宗教をベースとした生活を強要していました。
宿題もできないほどの生活に我慢ができなくなり、結局その同級生はホストファミリーを変えることに。
私のホストファミリーも敬虔なクリスチャンでしたが、周囲に無理強いをしない方たちでした。
中には、留学生を改宗させようとするホストファミリーもいると聞きます。
ホストファミリーが宗教に関してどこまで柔軟であるかは、実際に滞在してみて体感することでもありますよね。
特に日本人は、クリスマスを祝い、年始には初詣に神社へ向かい、旅先ではお寺に参拝…などと、どの教えにも敬意を持っている、またはある意味無宗教的な人が多いように感じますが、海外では自身のしっかりとした信仰心を持つ人の方が多いことでしょう。
そして、一言にキリスト教や仏教などと言っても、宗派によって教えや決まりも違ってきますし、何かと問題が報道されている新興宗教なども、海外には多く存在しているので、ホストファミリーの宗教概念に全く理解・尊重できないケースも多いはず。
宗教に関しては、互いにどの辺りまで歩み寄れるかというところでもあるでしょう。
殺傷・虐待、営利目的な行為などをベースにしたような宗教に歩み寄る必要は全くありませんが、精神的・身体的にネガティヴなストレスを与えない宗教であれば、英語はもちろん今後の人生において何らかの学習になるかもしれませんから、柔軟な姿勢を持って、知ることも大切ではないでしょうか。
その上で、あまりに無理強いされていると感じたら、ホストファミリーを変更してもらうようにしましょう。
▶ホストファミリーが大喧嘩
これはよく聞く話です。
私のホストファミリーは喧嘩になるようなことはなかったのですが、同級生でホストペアレンツの夫婦喧嘩に悩まされている人がいたことを覚えています。
これは私見ですが、外国人の多くはゲストを招くことにとても慣れていると感じます。
スペイン語で有名な言葉、「Mi casa tu casa(私の家はあなたの家)」とも言うように、ゲストへの気遣いも良い意味ですぐにファミリー化してしまうのでしょう。
その上、主張し合う国民性とも言うのか、そのような性質を強く持っている人同士であれば、ゲストがいようがいまいが、大きな言い争いになることも不思議ではありません。
夫婦喧嘩が耐えなかったという、私の同級生のホストペアレンツは、その後すぐに離婚したそうなので、離婚に発展するほどの夫婦喧嘩の渦中にいなくてはいけなかった同級生は、かなりのストレスだっただろうと察します。
正直なところ、同級生に危害が加わらなかったことは、不幸中の幸いというところでしょう。
中には、喧嘩が元で周囲に当たり散らしたり、武器を使っての喧嘩で事件になったりということも、残念ながら珍しくはありません。
あまりにもホストファミリー内が険悪なムードという場合、エージェントなどにまずは相談、変更なりお願いしましょう。
▶増え続ける性被害
本当に悲しいことですが、どこの国でも性被害はとどまることを知りません。
過去のフランス映画で「Taken(放題:96時間)」という作品がありましたが、このストーリーでベースとされている国際的なヒューマン・トラフィッキングは、実際に多くの国で問題視されています。
私が現在住んでいる国でも、事実を基にしたヒューマン・トラフィッキングのTV映画などがよく放映されていて、その恐ろしさを知らされます。
さらに、世界各国で日本人留学生が性被害にあった、殺害されたということも、悲しい哉よく報道されていますよね。
ですが、報道されていない被害者の方が実に多いこと、映画などでは語られない真の恐怖が隠されていることを忘れてはいけません。
もちろん、ホームステイ先での性被害も含めて。
怖がらせるつもりはありませんが、小さな子供がいるホストペアレンツだから大丈夫、聖職についているから大丈夫、などと安易な安心感は持たない方が身のためです。
ホームステイ先での性被害も、残念なことですが実際にあるのです。
ホストファミリーからの被害というだけではなく、同じホストファミリーに滞在している留学生や、ホストファミリーを訪ねてきた人から被害を受けたという話もあります。
常に「我が身は我が身で守る」という気持ちを強く持つことが大切です。
そして、親元を離れての海外暮らしで、開放的な気分を強めるあまり、露出が多いファッションを普段着にすることも、考えものです。
地域に合った服装も重視したほうがいいでしょう。
国や宗教によっては、女性は肌の露出を控えなければいけないという「マナー」もありますし、服装次第で被害を事前に防げるということもあると覚えておきましょう。
性被害では、男性の留学生も当然ながら要注意です。
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▶ホームステイ先のご近所でも要注意
海外では、国の治安問題も不安を感じさせますが、国内の地域によっても治安にかなりの違いがあることを理解しておきたいもの。
さらに、自身が日本人であるということも。
ホームステイ先のご近所にも慣れてきた時期になると、開放的な心持ちで、つい羽根を伸ばしすぎることもあるでしょう。
とはいえ、ホストファミリーと一緒だから、ホームステイ先のご近所だからと安心しきってしまうのは危険です。
特に日本人が狙われやすい人種であることは確かですし、銃社会である地域も少なくありません。
かなり昔のことですが、アメリカで日本人留学生が射殺された事件がありました。
私も当時のことをニュースで知り、かなり衝撃を受けました。
これは日本人だから狙われたというのではなく、誤解から生じた事件ではありますが、防衛が攻撃になったというような、銃社会の矛盾と真実も、日本で初めてしっかりと報道された時だったように感じます。
他国では、文化習慣の他、法律やマナーなど、日本と違う点が多くあります。
どのようなことが引き金を引くことになるのか、誰にも予測不可能ですから、慣れてきたからといって危機感を薄れさせてしまうのは絶対にNGです。
▶狙われやすい日本人
海外のトラブルでは、「盗難・置き引き」が1位とされています。
私が暮らしている国でも、都会に行くと日本人らしき旅行者を見かけることがありますが、ベンチに荷物を置いたまま携帯で撮影していたり、背中のバックパックが開いたまま場所の確認だかをしていたり、多くの札束が周囲から見えてしまうほど財布をおおっぴらに開けながらお店で支払いをしていたり…などと、とても無防備な状態の日本人が多いように感じます。
つまり、「日本人は狙いやすい」という印象を与えているということに。
それでなくても、日本人のパスポートが既に狙われているそうですから、危機管理能力を高めておく必要があるのです。
そして、外出先だけではなく、ホームステイ先でもその危機管理能力が絶対必要ということを覚えておきたいもの。
実際に、ホームステイ先で盗難があった、何かを壊されたために、ホストファミリーを変えてほしいという訴えも少なくありません。
逆に、疑われたホストファミリーから怒りの訴えがあることも。
私としては、こういったトラブルに関して、双方の訴えに同情してしまいます。
私の留学期間中では、ホストファミリーと私の間にトラブルはなかったのですが(あくまでも私の記憶では)、他の留学生、私の同級生からはよく聞かされていました。
ホストファミリーを疑うのも嫌なものですが、事実ホストファミリーの誰かから被害を受けた人も多くいます。
加えて、お客の出入りが激しいホストファミリー宅であれば、ホストファミリー以外の人から被害を受けることもあり得ます。
私のホストファミリーは、当時ティーンエイジャーの子どもたちもいたので、彼らの友人たち、日本語で言う部活の部員たちの他、ホストファミリーの親戚たち、教会員たちなど、とても多くの出入りが毎日あったため、特に貴重品には、私なりの方法で注意していました。
ホストファミリー自体に問題があったのならまだしも、信頼関係を保ち合えるホストファミリーであれば、互いに疑いを持ちたくないものです。
そのためにも、「ホームステイ先でも要注意~自衛は必須」、「貴重品の自己管理」の記事にも挙げた通り、できる限りの自己管理を徹底するようにしましょう。
1人でも多くの日本人留学生が、自己管理・危機管理能力を高め、その姿勢を周囲に印象づけることで、狙いにくい日本人に繋げたいものですね。
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ホームステイ先で危険を感じた時の対処方法
日本人留学生は、何かと我慢しがちのように感じるのは、私だけではないはず。
この場をうまく切り抜けよう、事なかれ主義を通そうとすることも、時には大切かもしれませんが、留学生として異国で決まった期間を過ごす場合には、「ここは日本ではない、今まで経験したことがないことが起こっても不思議ではない」という意識を持つことが大切です。
特にホームステイをする留学生は、ホストファミリーという定義がどうあれ、家庭によって留学生の受け入れ方が様々であることを覚悟し、少しでも危険性を感じたら、ホストファミリーを紹介してくれた担当者、エージェントに相談するようにしましょう。
ホストファミリーとのプロダクティヴな話し合いで解決できるようなことなら良いのですが、それが困難なケースが多々ですから、できる限りエージェントなど紹介者にまずは相談するほうがいいでしょう。
そして、問題が大きくならない内に、ホストファミリーを変更してもらうことも視野に入れます。
ホームステイでは、ある程度の我慢と柔軟性も必要とはいえ、危険は避けなくてはいけませんし、ホストファミリーの実態をエージェントに伝えることで、自身のことだけではなく、次の被害を防ぐことにもなります。
ホームステイを経験する留学生は、これからの留学生に安全性の高いホームステイが繋げられるよう、レールを引くことも心得ておきたいですね。
そして、ホームステイの留学を経験した私からおすすめしたい事前の予防法として、日記をつけることをお伝えしたいです。
日記をつけることが面倒であれば、その時々であったこと、感じたことなどを動画に撮っておくこともいいでしょう。
特に、ホストファミリーとの信頼関係がほぼないような状態であれば、後々のことを考え、ちょっとした証拠を残しておくことも必要と思います。
「ピンからキリまで」とよく言いますが、ホストファミリーについてもまさにその言葉がピッタリ。
留学生との相性もありますから、実際に寝食をともにしてみて初めてわかることが多々ですが、身の危険に繋がることもないとは限りません。
何もかもを疑ってしまうことに抵抗があるかもしれませんが、異国では危機管理能力を高く保つことが必要不可欠です。
ホストファミリーへの礼儀としても、自己管理を徹底し、危険を感じたらすぐ、エージェントなどに相談するようにしましょう。